だんドーン:第36話「珍貨を運ぶ珍道中」感想―半次郎の独特な価値基準

今回のお使いはお米代の支払い。怪しまれないように「田の神さぁ」に偽装するが、その神のお姿はあまりにも神々しく…すっかりレギュラー化した太郎くん、惜しみなくツッコミ役の才能を発揮してくれていた…!

ひたすら笑えたが、その中でも太郎の自信のなさを同じ目線で励ます半次郎が印象的だった。

半次郎は川路と違って、下ネタって笑っちゃうよねと共感し、嫌われない生き方だけじゃつまらんぞ、と自然と視野を広げてくれる。

貧しい育ちで学問をする機会もなく育った半次郎は事あるごとに蔑みの視線を向けられてきただろう。田畑を耕しながら、作物を産み出し世の中を支えるのは民衆の一人一人だという考え方が根底に浸透している。だから藩からのサラリーや権威という虚像に支えられている武士に蔑まれてもどうということはない。いざというときの肉の盾である武士の命なんか軽いものだと感じるし、民をいじめるような心得違いの者はポイっと斬殺してしまえる。

他人からの評価じゃなくて、自分の信念を違えねば何ら恥じることはないと諭す半次郎は感動的だが、危うい。でもそこが魅力的。

そういえば半次郎も太郎も西郷の言葉に心を動かされていた。

だんドーン(1)第6話 芋侍の江戸わずらい

だんドーン(3)第18話「コスプレ逃避行」より

アオリによると、3人の珍道中には珍寒体験が待っているらしいけれど、よい旅を。